ナローポルシェ 911 キャブレターO/H ゼニス製
業者さんからのご依頼でキャブの調子が悪いので見て欲しいとの事でした。 外装は全塗装した感じで綺麗でしたし、内装も年式の割には普通に綺麗でした。この辺りの車はレストアしたようなわざとらしすぎるくらい綺麗な物か、かなりボロイかの両極端の車両が多い気がします。
故障の症状はかかる時はかかるがほとんどエンジンがかからない、エアクリーナーを外してガソリンを直接入れるとなんとかかかるらしいとのお話でしたが当社に入庫された状態では何をしてもかからない、多少爆発があってもとてもアイドルにもならない状態でした。キャブレターは漏れがあったり、組み付け方がおかしいところも有り、バックファイヤーか何でなったかは分かりませんがベンチュリー部が半分になっていました。色々と問題は有りそうですが、とりあえず分解してO/Hです。
エンジンがかかっていたと言う話は疑わしい位の状態でした。ほぼ全気筒分くらい加速ポンプのダイヤフラムダメで、ノズル類なども詰まっていたり、酸化して固着したりと酷い状態でした。
ゼニス製のキャブでポルシェでも珍しく、知っている中でも356あたりだけではなかったかと記憶しています。それでも意外にO/Hキットがすぐに入手でき、この辺りが日本車の旧車と違うところです。 何故か最近AE86の修理やチューニング、コンピュータープログラムを頼まれる事が多いのですが86ですら部品がかなり入手しずらくなっています。
ゼニスは久しぶりで嫌がる業者さんも多いですが個人的には結構好きなキャブレターです。 意外にあっさりとO/H後は調整もうまくいき、調子も出て普通に走行できるようにはなりました。個人的にはもう少しやりたかったのですが、もろもろの事情で終了です。